積雪期の冬山は雪が降り積もり、夏に通った道は真っ白な雪面になります。
マイナス温度の低温に加えて強風が吹き荒れること多いので、
激しいルートの環境変化や、気象の変化に応変に対応しないといけません。
なので道具は必要です。
雪山で使用する道具
・ピッケル・アイスアックス
これは、雪山で安全確保するために手に持ち、雪面に突き刺し杖のように使う道具で、
(ピッケルはドイツ語、アイスアックスは英語。)
雪は時に氷化して硬く、強風に対して体を固定するために、金属でできた高強度の物が必要となります。
杖として使うときは、シャフトの一番上を持ち、スピッツェ(石突)を雪に突き刺します。
急斜面などではブレードを手に、ピックを雪面に刺しながら登り下りします。
まっすぐ立ってシャフトの一番上を持った状態で、スピッツェの先がくるぶしくらいまでの長さが良いのですが、トレッキングポールと併用するため長いものは必要がありません。
ですので、初めての方にはおすすめできません。
柔らかい雪面のさらに下にある硬い雪面に届かなかったり、腰を曲げて登ることで動きにくいだけでなく安全確保できない場合があります。
・アイゼン・クランポン
金属の爪を靴の底に装着するもので、ブーツのソールパターンだけでは滑ってしまうような雪山
だと、グリップ力があり有効です。
爪の本数・爪の方向によっては、グリップ力や向いた山に違いがあります。
(アイゼンはドイツ語、クランポンは英語。)
4本爪アイゼンは「軽アイゼン」とも呼ばれていて、冬でも積雪の少ない低山・凍った水平の道に向いている道具です。
6本爪アイゼンというのもあって夏の雪渓歩きや冬の低山に向いています。
4本爪アイゼンも6本爪アイゼンもつま先に爪が付いていないので、急な斜面の雪面の場合は
不向きです。
10本以上の爪のもので、つま先の前に爪が飛び出しているものは本格的な雪山登山に向いていて足裏全体に爪が配置されています。
緩斜面、急斜面、斜面を横切る(トラバース)など、あらゆる状況に対応できます。
(10本爪のアイゼンでも、前側に爪が飛び出していないものは6本爪の軽アイゼンと用途は変わりありません。)
本格的な雪山登山のアイゼンには、底が固く曲がらないブーツが必要で、コバと呼ばれるカカトやつま先に凹みがあるブーツでは、ワンタッチ式、セミワンタッチ式などのしっかりとした固定方式のアイゼンを装着することができます。
・ネックゲイター・バラクラバ
ネックゲイターは首の回りに巻く保温ウェアで、バラクラバは頭・顔に被る目出し帽のこと。
冬山だと外気に皮膚をむき出しにしていると凍傷になる恐れがあります。
ネックゲイターの場合は、耳や顔のあたりがむき出しになってしまいますが、深いニット帽などと併用することで凍傷から守ることができます。
・グローブ
保温していないと凍傷になります。
雪がある場合は、保温以外に防水が必要になります。
ぶ厚いグローブでは細かい作業ができず、グローブも服同様レイヤリングする必要があります。
薄手の操作性の良い手袋、保温手袋や防水の外殻手袋など。
・ウィンターゲイター
雪山で登山する際は、厚く降り積もった雪の中を歩くので、ズボンのまま歩くと裾から雪が入ります。
それを防ぐために使用します。
夏のレインスパッツとの違いは、強度の差が大きいことにあります。
ウィンターゲイターはアイゼンの爪を引っかけてしまっても穴があかないように強度の高い生地が貼られているので安心です。
・ヘルメット
低山の雪原を歩く場合にはあまり要りませんが、転倒・落石の危険のある場所へ入山する場合はヘルメットが必要になります。
ニット帽、バラクラバなどを被り、その上からヘルメットを被るようにします。
水分補給するときは、ペットボトルやハイドレーションなど凍結する危険性があるものはさけて、高い保温性のある二重構造の保温水筒にお湯を持っていくといいでしょう。
カップ付きのものなら、粉末のお茶やコーヒーなどで味を変えられるので便利です。
ウェアも。気温、体温の変化に合わせて調整する必要があり、
スキージャケットのようにぶ厚い中綿が入ったウェアでは体温調節ができません。
夏山と同じく、レイヤリングでウェアを調整します。
